つくばワイナリー(茨城)

2018年6月14日取材 

北村 工(醸造&栽培担当) 


「いにしえより神の住む山として知られた筑波山。

その筑波山が見下ろす北条の地には太平洋から吹くミネラルを

豊富に含んだ風が山の麓にぶつかり、なだらかな丘の上を駆け抜けていきます。

大地を潤す水は、数千年の時を経て山から湧き出るご神水。

水はけにも優れた肥沃の地は、まさに葡萄栽培に

適した最高のロケーションと言えます」つくばワイナリー案内より


-元々、母体のカドヤカンパニーさんはスーパーを経営されていました。問屋やメーカーからモノを仕入れて売るだけではつまらないということで、饅頭を作りはじめた。そして、次はワインを造り出したと伺っています。2011年からブドウ栽培開始。2014年に委託醸造で初リリースをされました。北村さんはいつからこちらに? 

北村 去年(2017年)の冬からです。 

-ワイン造りのキャリアのスタートは? 

北村 ココファームさんで醸造と栽培の研修を受けて、その後、小さなワイナリーで4年くらい醸造を手掛けていました。小さな畑も持っているワイナリーだったので栽培も担いました。メルロー、シャルドネ、カベルネ・フラン、ピノ・ノワールなどを植えていました。当時、畑は放置されている状態だったのでテコ入れをして収穫できるようになりました。その後、東北でワイナリーの起ち上げに1年半ほど参加しました。土地の開拓、ブドウ植えから醸造所の設計など、本当にゼロから手掛けました。 

-こちらに来られてまずは畑をみられることからスタートしたと思います。こちらのブドウ畑は2haとなかなかの規模です。 

北村 アルバイトの方を含めて4人でみています。植えている品種は、「富士の夢」は半分以上。「北天の雫」が30%程度。残り西洋品種(メルロー、シャルドネ、マルスラン)が20%以下です。 

-富士の夢、北天の雫がメインとなっているのは? 

北村 出会いだと思います。ブドウの苗木がなかなか手に入らない。そういう時に志村葡萄研究所の志村さんと出会ったそうです。志村さんは「富士の夢(ヤマブドウとメルローの交配品種)」「北天の雫(ヤマブドウとリースリングの交配品種)」を作った人です。  

-この場所(ブドウ畑)の特性はどのようにお考えですか? 

北村 高台になっているので水はけが良いです。あとは風がよく流れます。こもらないので病気が少なくなる。日当たりもいいです。近くに「平沢官衙遺跡」というのがあります。昔から人が住んでいたということで、良い土地なんだと思います。 

-土壌は? 

北村 そんなに肥えすぎてもいないし、調整も効く土地です。このあたりは花崗岩の土地になるので、西洋品種でいえばガメイとかシラーとか合っていると思います。今植えている、富士の夢と北天の雫は土地への適応能力が高く栽培しやすいのですが、蔓の伸び方の性質が西洋品種と異なって、絡まっていきます。まっすぐ伸びないんですね。それを無理にはずそうとすると折れたり切れたりして手間がものすごくかかります。 

-今後、トライしていきたいところありますか? 

北村 富士の夢は他の西洋品種の赤に比べて、タンニン分が少ない。皮と一緒に醸すと色が出すぎてしまう。その濃さがいいかと言えば、そんなに良い方に働いていない。皮で醸さないで、すぐに搾ってロゼみたいに造ってみてはどうかなど考えています。または酸の多い状態で収穫して、スパークリングというのも面白いですね。あとはハウス栽培したいと思っています。ブドウというのはやはり水のない場所で育つものです。日本では不利なところがある。それではそれにあった環境を作るべきと考えています。 


北村 やっぱり、テロワール重視という考え方でしょうね。自然をそのまま受け入れなければいけないという精神的なものが大きいと思います。でも、ふと考えると、テロワールを語るのは、まずはブドウが健康にできてからの話だなと。ハウス栽培で病気が少なくなって、いいブドウができるならば、それでやってみればいい。その後にテロワールがついてくるのだと思っています。  

-つくばワイナリーさんの特徴のひとつとして、マルスランを植えられていますね。 

北村 志村葡萄研究所の志村さんの提案です。志村先生は今、中国でも活動されていますがマルスランは中国で人気の品種とのことです。実際、去年の収穫の際に食べてみたんですけど、面白い風味が出るかもしれません。収穫時期は遅めになると思うんですけど、ちゃんと収量を制限して造ったらいいブドウ、いいワインになると思っています。  

-来年、いよいよ醸造設備(ワイナリー)を作る計画があります。 

北村 すでにこの地域では他にも2軒、ワイナリーができようとしています。茨城県自体で盛り上げていこうとしているのでワインツーリズムなどワイン産地としての将来もあるかもしれないと思っています。 

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