深川ワイナリー東京(東京)

2018年4月27日取材 

 上野浩輔(醸造責任者) 

-深川ワイナリー東京の設立の経緯をお聞かせいただけますか。 

上野 僕は2014年に神戸で初めて中本社長とお会いしました。滋賀のワイナリーで醸造担当をしていましたが当時から都市型ワイナリーに魅力を感じていました。何が魅力かと言うと田舎だとワイン造りをしてそこで出荷して終わりなんです。どういうふうな具合で食べ合わせしていただいているか、どう飲まれているか、そういうことを想像せずに出荷していました。ワインは確かに単独で飲んでもすごく美味しいんですけど、食事と合わせた瞬間瞬間にわあ!ってなることが多いからそこの追求ができるのは町の中の都市型のワイナリーの醸造人だけが知ることができる。そこは知りたい!と強く思っていました。当時、郊外でやる可能性もあったんですが「社長。ワイン造りって、ブドウさえあればどこでもできるんですよ!」って僕が言ったら、社長、キラーンって目が光ったんです(笑) 




-その時は中本社長は都市型という考えはなかったんですね 

上野 なかったと思います。 


 -上野さんがパスを出されたということですか 


 上野 かもしれないですね。そう言うと「違う。最初から考えてた」と言うかもしれませんが(笑)臨機応変な方なので思ったらすぐ動きます。次会った時には「東京でもいいかな?」となりました。



-深川ワイナリー東京の特徴は何でしょう 

上野 無濾過と濾過があります。濾過はどういう具合の時にするかと言うとですね。ブクブクブクと発酵が終わりますと静かに対流が止まります。それまでグワーって対流をなしていたのがピタっと止んじゃいます。それが沈んでいって上澄みになったタイミングで別の容器に移します。その時に試飲してなんてフル-ティーでフレッシュなんだ!というワインはそのまま無濾過で詰めてしまいます。それとは逆に果肉とか酵母とかをここから取り除いてあげたらスッキリとしてこれは美味しいワインになるという直感がきた時は遠慮なく濾過します。 


-最初から決めているわけではなくて? 

上野 そうですね。その年であったり品種であったり、ブドウと会話して決めていきます。 どっちつかずの場合は濾過と無濾過、両方造るパターンもあります。両方飲んでもらうことでお客様にも理解を深めてもらうという意味もあります。私は濾過の方が好き。私は無濾過の方が好き。そういう感想をお客さんに持ってもらいたいのです。

-瓶内二次発酵は? 

上野 全てノン・デゴルジュマン(澱抜きをせず)です。設備的に澱を取り除いてコルクとワイヤーを付けるという作業ができないこともありますが澱を残すことで栄養が残ります。その栄養をワイン酵母が食べることで二次発酵が起こります。濾過したワインで瓶内二次発酵するとすぐに食いつかないんですよ。食いつくまでの間に時間がかかってしまうとブリオッシュ香が生まれてしまう。すぐに食いつくとブリオッシュ香無しでフル-ティーなものになります。ブリオッシュ香自体は僕はあまり良いとは思っていないんです。自然発酵系のワインをそのままその酵母の力を使って何も加えずに瓶内二次発酵させると発酵するまでにちょっと期間があって自然発酵特有の穀物系の香りがつきます。 


-酵母は野生酵母? 

上野 8月9月に入ってくるブドウは、そのままブドウについている野生酵母を使います。 搾汁した後にブクブクと発酵の兆しがあります。それを見て判断しますね。雨が多くてブドウが悪かった年、イヤな香りが残りそうとかすぐに発酵しないだろうなという場合は諦めて販売されている酵母を使います。基本的にはブドウの持つ力を信じて、畑に宿っている酵母の力を信じて、そのままワイン造りをしていきたいなと思っています。泡も落ち着いていくのに時間がかかります。私たちは設備のない中、泡が生まれてきたら嬉しくて「泡がでてきたからすぐ売ろう!」となりがちです(笑)泡の種類としては生まれたてでまだガラガラなんです。3年熟成をさせてからリリースするのがシャンパンのお約束ですが、最短ですと20日でガスに変わります。我々は1ヶ月後にはリリースしていますが、そのあと時間を経ると泡にまとまりがでてきてさらに良いものになります。 


-小規模ワイナリーさんのワインは早飲みのワインが基本ですが、こと泡ものに関しては、少し時間を置いたほうが美味しくなるということですね? 

上野 そうですね。購入された場合、すこし寝かせて飲んでいただくと良いかもしれません。 

-この夏、山形のマスカットベリーAと長野のコンコードをブレンドしたスパークリングをリリースされる予定ですね 

上野 はい。去年はコンコード単体でスパークリングを造りましたが、今年は酸が欲しくて、山形のマスカットベリーAをブレンドしました。地域の違うフルーティーなブドウを掛け合わせてひとつのワインを造るというのが東京らしさのひとつかなと思っています。




深川ワイナリー東京のワインが買えるお店一覧

取り扱いを希望される酒販店様はこちらから

日本ワイン.jp

日本ワイン、日本のクラフトワイナリー、日本のクラフトワインを応援するポータルサイト

0コメント

  • 1000 / 1000